マインドフルネス呼吸法の5大効果とは

現代のビジネスマンにとって、仕事と生活を両立させパフォーマンスを向上・維持させることは、永遠の課題です。しかし、多くの人は日によって、パフォーマンスに波があります。その原因の一つに「集中力の低下」が挙げられます。今回は、失われた集中力を鍛えることができる「マインドフルネス瞑想」をご紹介します。

そもそも呼吸方法にもいくつかの種類がある?

マインドフルネス瞑想のやり方を、やさしく説明すると、「まず、2分間、穏やかで一貫した注意を、自分の呼吸に向ける」ということができます。ここで、最初に抑えておきたい大事なポイントは、「呼吸」です。では、その呼吸法には、どんな種類があるかを2つ紹介します。

【1】4-7-8呼吸法

ハーバード大学出身のアンドリュー・ウェイル教授が考案した呼吸法。マインドフルネス呼吸法の中では、基本となる呼吸法です。

【2】酸素アドバンテージ・プログラムの呼吸法

パトリック・マーキュン氏が、ビューテイコ呼吸法の生みの親であるコンスタントチン・ビューテイコ医師から学び、開発した呼吸法です。欧米などで流行っているヨガが提唱する深い呼吸法とは違い、静かで、穏やかで、浅い呼吸法になります。

世界最大の医療サイト(Mercola.com)設立者ジョゼフ・マーコーラ医師も絶賛し、13年以上にわたって「オリンピックの金メダリスト」をはじめとする5000人以上の人生を変えた呼吸法として世界で知られています。

マインドフルネス呼吸法とは何?

【1】そもそもマインドフルネス とは?

ブリタニカ国際大百科事典2016年度版によると、マインドフルネスとは、「心をとどめておくこと、あるいは心にとどめおかされた状態としての記憶、心にとどめたことをよびさます想起の働き、心にとどめおかせる働きとしての注意力」と述べています。
マインドフルネスを心理療法として最初に導入したジョン・ガバット=シンは、「意図的に、現在の瞬間に。そして瞬間瞬間に展開する体験に、判断せずに注意を向けることで現れる気づき」と定義しています。

【2】マインドフルネス呼吸法とは?

注意をむける対象が「呼吸」になったバージョンと言い換えることができます。
まず、呼吸をしていることを自覚し、次に呼吸のプロセスに注意を払うこと。
ポイントは、呼吸の一定のリズムを感じとり維持すること。たとえ呼吸が乱れたとしても、慌てずにゆっくりと戻していくことです。

【3】マインドフルネス呼吸法は医療・職場でも効果は本当にある?

マインドフルネス呼吸法は、医療でいえば多くのエビデンスがあり、劇的な効果として挙げるとしたら「うつ傾向の改善」の研究結果が報告されています。
また、職場でいえば、有名な事例だと、Google社がマインドフルネスをベースとした「Search Inside Yourself」を導入していることなどが挙げられます。
利用者の中には、なんと、「自分の性格がよくなった」という報告もあり、それによって人間関係構築に大きく貢献して例もあります。

【4】普通の呼吸法とマインドフルネス瞑想の違いとは?

普通の呼吸とは、無意識下で行われる呼吸、つまり、生きていく上で本能的に行われている呼吸です。
生きる上で普通に空気を吸い、吐く。この一連の動作に感想は生まれません。それは当人にとって当たり前のことだからです。

それに対して、マインドフルネス呼吸は、ただ座って目を閉じて、空気を味わうこと。深く言えば、生を味わうように、呼吸を丁寧に味わっていくことです。
何も知らない部外者が入ってきたら、単に休んでいる時間にしか見えないが、当人にとっては、何気ない時間の中でも深い気づきを得て、「自分」という世界を広げていくことに集中できる、楽しく喜びに満ちた時間です。
このように、普通の呼吸法とマインドフルネス瞑想の違いは、目の前で見ているものへの叡智を見出すことができるかできないか、ということもできます。

【5】どんな人にマインドフルネス呼吸法は必要?

本や会話や会議の内容が頭に入らない人。
対人関係において、相手にイライラしやすい人。
都会の喧騒に気が散りやすい人。

このような人達にとって注意を妨げる要因は「マルチタスク」です。
今その瞬間に自分の価値観や感情が頭を独占してしまうことによって、もっと大事なことに集中できなくなってしまいます。
だから、知識としてマインドフルネス瞑想を取り入れ、周りの状況に影響されずに1つの事に集中するスキルを身に着ける必要があります。

マインドフルネス呼吸法に期待できる5大効果

健康面と生産性向上の2つの面で、期待できる効果があります。その中でも最も良いものを紹介します。

【効果1】メンタル強化:マインドフルネス瞑想を 8週間続けると、扁桃体が強化される研究結果があり、それによって負の感情に流されない強くなります。
目に見える効果として、白髪が減る、心臓病のリスクが半減という報告があります。

【効果2】長寿効果: DHEAと呼ばれる、あらゆるホルモンの源にもなっている脳内物質が活性化し、脳の成長を促し、免疫機能向上にもつながります。
さらに、テロメア【生命維持の回数券とも言われる】が伸びる研究もあり、アンチエイジング効果も期待され研究が進められています

【効果3】記憶力向上:マインドフルネス瞑想を週に4回、一回につき10-15分間行い続けた学生と、そうでない学生の成績を調べた研究で 、マインドフルネス瞑想を行った学生は11%の成績向上が確認されています。

【効果4】生産性向上:ハーバード大学の研究によると、マインドフルネス瞑想を一日一回、だいたい27分間【約30分間】、2週間 つづけると、集中力と洞察力が増え、それによって単位時間における仕事をこなす量が増えた、という研究結果があります。 仕事には、成果に結びつくアイデアも含まれるので、クリエイティブな職業に就いている方にもお勧めといえます。

【効果5】感受性が良くなる: 洞察力が深まることによって、芸術鑑賞を、よりじっくりと堪能することができるという研究結果もあります。洞察が深まることで共感能力も向上するので、「交友関係が良くなった」という報告もあります。

実際にやってみよう!マインドフルネス呼吸法のステップ

先ほど、マインドフルネス瞑想の呼吸法で紹介した2つの呼吸法の実践方法をご紹介。

【4-7-8呼吸法のやり方の4つのステップ】
1椅子や床に背筋を伸ばして座る。※椅子の場合、背もたれに寄りかからないこと。
2口を閉じ、「4つ」数えながら息を吸い込む。※余計な力を抜くこと
3息を止めて、「7つ」数える。※心の中でカウントすること。
4「8つ」数えながら、口から息を吐き切る。

※1~4を1セットとして、一回に3セット行う

【酸素アドバンテージ・プログラムの呼吸法のやり方10のステップ】

1片手に胸を当て、もう片方を、へその上あたりに当てる。※手で呼吸を感じ取る
2ゆっくり息を吸い、お腹がふくらむのを感じる
3ゆっくり息を吐き、お腹がへこむのを感じる
4自分の呼吸パターンを観察する。
5手に力を入れて静かに胸とおなかを押し、呼吸の動きを抑制する。※手の力に反発するイメージで呼吸する
6呼吸の量を減らしていく。
7いつもより小さく息を使い、小さく息を吐く
8リラックスして息を吐く。ゆっくりと、体の力を抜いて息を吐く
9呼吸全体をリラックスさせる
10体に力を入れない。※息を止めたり、呼吸にポーズを入れたりしない。スムーズに呼吸を続けること。ただし呼吸量だけは減らしていく。

この呼吸法の目的は、がまんできる程度の息苦しい状態をつくることです。
この「小さな呼吸」を3分から5分続けること。
※もし、呼吸のリズムが乱れ、呼吸筋が収縮するのを感じる場合は、息苦しさの程度が強すぎているためである。その際は、呼吸法を中止し、呼吸が正常に戻ったところで再開すること。

ここに注意!正しく効果的に行うために知っておくべきポイント

【1】 注意点:姿勢 
姿勢は背筋を伸ばすこと。おへそを前に突き出すイメージで行う。そうすることで脳波が良い方向に変わるという研究結果があります。

【2】 注意点:行う時間帯
マインドフルネス瞑想を習慣化することが目的であれば、朝一に行うこと。その理由は、朝の内が意志力が高いという研究結果があるからです。
リラクゼーションが目的であれば、昼の休憩や夜のお風呂などの5-15分間隔から始められます。

【3】マインドフルネス瞑想の習慣化のコツと注意点
習慣化する目的であれば、すでに習慣化している動作と組み合わせること。
例をあげると、寝具から着替えるあとに、マインドフルネス瞑想を行うなど。
最初からいきなり30分を目指さないこと。最初は5分も目標とし、それが一ヵ月継続出来たら、時間を増やしていくこと。

【4】よくある挫折例 は?
マインドフルネス瞑想中に呼吸に集中できず「苦しい」と感じ、次第に面倒くさい感情に変わって辞めてしまう方が多いようです。
それは非常に勿体ないことであることを認識する必要があります。
なぜなら、マインドフルネス瞑想で集中力がつく最も効果的な瞬間は、逸れた注意力を元に戻すとき、だからです。
筋力トレーニングでも負荷が強いダンベルを定位置に戻す時に、力が付くように、マインドフルネス瞑想も注意が逸れたときに、戻すことができてはじめて、集中力が身につきます。
注意が逸れたら、その習慣を成長する機会ととらえて、是非、諦めないようにしましょう

まとめ

今は、インターネットによって、すぐに必要なデータや情報を得られる恩恵を得る代わりに、注意力を分散させる「プッシュ通知」「広告」「メルマガ告知」などと隣り合わせに過ごしています。マインドフルネス瞑想によって、得られるものは、最も大事なことに1つに集中することができる「集中力」でした。

その集中力をつける上で最も大切な点は、「逸れた注意を元のあるべきところに戻す」ことです。これから始められる方は、まずは1分を目標にして、それから一ヵ月継続したのちにタイムを徐々に伸ばして実践してみてください。実際に体験することは、何にも変えることができない、自分だけの宝になります。ぜひ、今回の記事で、その宝石を1つ見つけるキッカケになれば幸いです。

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